台地を潤す「取水」の起点
森田頭首工
河川を堰止め農業用水を取水するための施設です。この事業では、那珂川水系荒川に『森田頭首工』を設置しした。那珂川合流地点から約6㎞上流の地点です。
全可動堰の構造で最大毎秒1.763㎥を取水することできます。
天然鮎の溯上が多いことに配慮して、右岸側に階段魚道を、左岸側には粗石付斜路式魚道を採用しています。
斜路式魚道は、自然石を千鳥に配置することによって自然石の背後に淀みを作り、鮎が溯上しやすい構造としています。
左:粗石付斜路式魚道 右:頭首工操作盤
森田頭首工諸元
取水した用水を塩田調整池へ
森田揚水機場
森田頭首工により取水された用水はこの機場で2.5㎞先の塩田調整池に圧送されます。4台のポンプで最大毎秒1.763㎥の用水を送ることが出来ます。森田揚水機場と塩田調整池との標高差は約69mあります。
本揚水機場には、ポンプ機側操作盤設備、遠隔操作盤設備のほか、隣接する森田頭首工の遠隔操作設備、放流警報設備、放送設備、監視操作設備等が設置されています。
左:遠隔操作盤 右:ポンプ室
森田揚水機場諸元
吐水槽諸元
塩田調整池から大川・菅又吐水槽へ
塩田揚水機場
塩田調整池に貯水された用水は、取水施設(斜樋)を通って直接この機場により大川吐水槽と菅又吐水槽に圧送されます。調整池の水位がポンプより高いところに位置するために一般の揚水機場に見られる吸水槽がありません。
4台のポンプで最大毎秒1.704㎥の用水を送ることが出来ます。本機場と両吐水槽との標高差は約56mあります。
左:大川吐水槽 右:菅又吐水槽
塩田揚水機場諸元
吐水槽諸元
「用」「揚」の違いは?
「用水」とは、飲料・灌漑・防水・工業などの用に供するための河川からの取水または引き水のことを言い、「揚水」とは、水を上にあげること。または、汲み上げた水のことを言います。
菅又調整池から小宅吐水槽へ
菅又揚水機場
菅又調整池に貯水された用水は、堤体取水塔より導水管を通って直接この機場により小宅吐水槽に圧送されます。塩田揚水機場と同様に調整池の水位がポンプより高いところに位置するために一般の揚水機場に見られる吸水槽がありません。
3台のポンプで最大毎秒0.672㎥の用水を送ることが出来ます。本機場と吐水槽との標高差は約68mあります。
左:ポンプ室 右:小宅吐水槽
菅又揚水機場諸元
小宅吐水槽諸元
「ポンプ」あれこれ
ポンプの形式には
①遠心力で流体を動かす渦巻ポンプ
②揚力で流体を動かす軸流ポンプ、軸流形チューブラポンプ
③遠心力と揚力で流体を動かす斜流ポンプ、斜流形チューブラポンプがあります。